キャンピングトレーラー RAPIDO club 31T 車高短修理

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2023-10、ブレーキ修理の為にタイヤを取り外した時、嫌な物を見付けてしまいました。

左のタイヤを外してホイールハウスを後方下から見上げた写真です。

ホイールハウスは樹脂なのですが、タイヤが擦れた跡があります。

赤丸の所、穴が空いてしまっています…。

ブレーキワイヤーも押しつぶされた跡があります。

車高が低すぎるからいけない様です。

車高短改造した訳ではありません。経年劣化で下がってしまうんですかねぇ。それとも故障?

車だと普通バンブラバーがあってリミットを超えない様になっているのですが…。無いのですね。

 

うちのはどのサスペンション形式に当てはまるんでしょうね?

Axleに書いてある文字は読み難くなってしまっていて良く分かりません。

BT9628と書いてある様に見えます。こちらと同じですかね。

Axleをトレーラーフレームに固定している所の左右間が1,100mm、ホイール取付面の左右間が1,580mm、

Axleをトレーラーフレームに固定しているネジの上側の間隔が110mm、下側が170mm、

スイングアームの中心間が145mm、定常時の角度が18°(スマホ実測)。

あれ?webによると定常時の角度(static)は13°のはずですが。

 

Axle tubeは三角でも四角でもありません。丸です。

どういう構造なんですかね?Axle tube の端にはグリスがはみ出している様に見えますが…。

トーションバーなんですかね?

何か対策しないと。

とりあえず穴はアルミテープで塞いでおきます。

 

調べた結果、どうもこんな感じっぽい。

今時のキャンピングトレーラーのゴムを使ったAxleの前の世代の物みたいです。

上のAL-KOのビデオの中の"torsion bar axles"と同じ原理です。

平板を重ねた物がトーションバーになっている様です。

ベアリング部をちゃんとグリスアップしてないと、この平板が破断してしまう様です。

グリスアップしてないなぁ…、破断してなければ良いのですが。

Rapido club 31T のドイツ語のフォーラムを見付けました。

26年前の車種、情報少ないですねー。

 

分解してみました。まず左側から。

このイモネジのロックナット(17mm)を緩めてイモネジを取り外すと、

スイングアームはトーションバーから抜けます。

その他、ショックアブソーバー、ブレーキワイヤーを取り外す必要があります。

私はブレーキシューの交換と同時に進めていたので、ブレーキワイヤーは簡単に抜けました。

そうでない場合、ブレーキドラムを取り外してワイヤーを抜く必要があります。

トーションバーは2枚の平板の端を溶接してありました。

イモネジで車体左右方向のホイールの位置が決まります。

スイングアーム側には筒の奥にこのトーションバーの受けがあります。

反対側(右側)も取り外します。

このトーションバーはどうも左右でつながっている様です。

Axle tube の中心辺りにトーションバーを固定しているイモネジがあると思うのですが…。ありません。

圧入?端(車体右側)からハンマーでたたいてみますが抜ける気配がありません。

中心部で溶接されているんでしょうか。謎です。

結局トーションバーは抜く事が出来なかったので、

トーションバーに損傷(亀裂とか)があるのかどうか目視で確認は出来ませんでした。

まぁでも分解した感じから損傷は無さそうな気がします。希望。

ちなみにトーションバーのAxleからの出が左は32mmなのに右は40mmでした。

タイヤ位置もそれなりにずれていました。

 

組み立てます。

オーリングがあるので、Axle側(車体側)に取り付けてからスイングアームを取り付けます。

ショックアブソーバーとブレーキワイヤーを取り付けます。

Axleの車体フレームすぐ内側後方にニップルがあるので、グリースを圧入しておきます。

上写真は右Axleを後方から映した物です。

写真左が車体中心側、写真右が車体右、写真中心部は車体フレームです。

左は5〜6ポンプ程でオイルシールからあふれてきたのですが、

右は10ポンプ以上してもあふれ出てきません…。

まぁでもグリースは入ったので大きな問題は無いと思います。

ここは年1回グリースを入れないといけないそうです。海外のフォーラムによると。

 

結局トーションバーは多分問題無いという結論です。

では何故タイヤはホイールハウスに擦ってしまうのか。

考えられる原因は2つ。

 

まず1つめは、タイヤ外形がもしかして純正サイズより大きすぎるのではないのか。

このトレーラーを購入してすぐにタイヤを新品に手組み交換しているのですが、

その時に選んだタイヤサイズは元から付いていた物と同じサイズ。165/80R13です。

もしかしたらそもそも純正より大きい物に交換されていたのかも。

トレーラー購入時に付いていた日本語説明書によると、165/70R13の様です。

やっぱりちょっと大きい物に交換されている様です。

でもまだほぼ新品タイヤなのでこのまま使います。

 

2つめは、ショックアブソーバーがへたっているからではないかと考えます。

ショックアブソーバーが過大入力に対してもっと抵抗してくれればホイールハウスに擦らなくなるのではないかと。

新品に交換してみる事にします。

このトレーラー用のショックアブソーバーはこちらの様です。

112ユーロ/片側。高いですねぇ…。

多分こちらのAL-KO汎用品でもいける様な気がします。

42.04ユーロ/片側。1/3の価格です。

フランスからだと送料が高いんですよねぇ…。76.20ユーロだそうです。

2023-10現在、1ユーロ\158なので、送料だけで\12,000します。でも買いたいし…。

せっかくなのでついでにいっぱい購入します。

AL-KO ブレーキキャップ(ブレーキシューのクリアランス調整に使う穴をふさぐキャップです) 1.08ユーロx2pcs

AL-KO セキュリティキーロック(ヒッチボールの所のレバーのロック) 3.50ユーロx2pcs(安いので予備)

AL-KO セーフティボール(ヒッチボールのダミー) 6.63ユーロ

AL-KO ハブカバー 48mm 4.92ユーロx2pcs

AL-KO 90S/3 ブレーキダンパー 63.41ユーロ

合計173.12ユーロ + 送料76.20ユーロ = 249.32ユーロ。約4万円でした。

購入手続きから1週間後、日本のDHLから輸入関税\2,600支払えと連絡がありました。

あれ?前回は要求されなかった気がするのですが…。まぁそういうもんなんですかね。

支払い手続きをすると翌日には届きました。

 

2024-7、ショックアブソーバーを交換してみます。

が、むしろ古いショックアブソーバーの方が抵抗がある様な気がします…。

 

2025-3、フェンダーを外して、タイヤとインナーフェンダーの隙間を見てみます。

定常時で30mm。やっぱり狭すぎる。

 

2025-4、やっぱり不安なので、トーションバーを新品に交換する事を考慮してもう一度分解してみます。

純正のトーションバーはもし入手出来たとしても20〜30万円位かかりそうなので、

トーションバーメーカーに特注で作ってもらおうかと考えています。

もし作ってもらえるのであれば、数万円で済みそうです。

ショックアブソーバーとブレーキワイヤーを取り外して、

スイングアームのイモネジを取り外してスイングアームを取外すとトーションバーが見えます。

ここまでは前回やっています。

採寸して構造を確認してみます。

車体左後から前方を見た図です。車体左端から中央までです。青が車体側固定部分です。

ピンクがトーションバー。24.4mm x 12.45mm x 1302mm を2枚重ねて端を溶接してあります。

海外のフォーラムによると、材質は、56Si7という焼き入れ焼き戻しバネ鋼の様です。

車体側固定部分の筒の中、中央に54mm厚のトーションバー固定部があります。

ここで圧入になっていると考えられます。

車体左側からトーションバーの端をハンマーで軽くたたいてみると…。

なんとトーションバーは固定部から外れて動いてくれました。結構簡単に。

固定から外れてしまえば後はスルスル抜けてきます。

圧入部(チューブ中央辺り)をヒートガンで炙ろうかと用意していたのですが、必要ありませんでした。

抜けましたー。

中央部車体右寄り(上画像では左寄り)にはシムが2枚挟まっています。両端部にもシムが1枚挟まってます。

車体右側からトーションバーを入れてって、シムで厚くなった所で圧入になって固定される様です。

シムを挟む事によってクサビになっているんですね。

前回分解した時は車体右側からトーションバーを押し込んで抜こうとしたので抜けなかった様です。

今回は車体左側からトーションバーを押し込んだので抜けました。

もっとねじれちゃってると思ってたんですけどねぇ…。ねじれは無い様にしか見えません。

大きくねじれちゃってる事が原因で、これを新品に交換すれば解決出来ると思ったのですが…。

ねじれちゃってないんだったらせっかくだから左右逆にして入れてみようかな。

左側から見た筒の中です。奥の方にトーションバー固定部が見えます。正常に見えます。

若干角度が右下がりに見えます。BT9628の仕様では3°右下がりです。

とりあえずトーションバーが大きくねじれちゃったり、

折れちゃってない事が確認出来たので、元に戻す事にします。

トーションバーを左右逆にして(スイングバーのイモネジが車体前方に来る様に)、

今度は車体左側から筒に入れてって元に戻します。

左の車高は10mm程上がった様です。

 

 

 

 

 

 

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